「私たちがどれだけ大変か知ってほしい」と言い出したお局リーダー問題。年1回の大営業会議で起きた話

マネジメント術

1. 「発表枠、いりますか?」と聞いたら返ってきた衝撃のひと言

うちの会社では年に一度、丸一日かけて大営業会議をやる。今期、各営業チームが何を目指すのか、個人が何を達成するのか。それを発表し、全員でディスカッションする、いわば「今期のキックオフ」だ。前向きな空気で、士気を上げる場。それが大営業会議の意味だと、誰もがわかっている……はずだった。

サポートチームのリーダー、いわゆる「お局」と呼ばれる女性社員に、軽い気持ちで聞いてみた。「何か発表したいことありますか?機会つくりますよ」と。すると返ってきたのが、「私たちがどれだけ大変か、時間軸をつくって知ってもらおうと思って」だった。……えっ?

2. なぜこうなるのか?「被害者ポジション」が固定化する仕組み

何度説明しても、彼女は折れなかった。「私たちばかり大変なんだから、営業にもサポート業務を手伝ってもらうべき」の一点張り。前向きな目標発表の場が、いつのまにか「労働環境の告発の場」にすり替わろうとしていた。

こういう人って、悪気があるわけじゃない。むしろ「自分たちは正しいことを言っている」と本気で思っている。だからやっかいなのだ。原因は3つあると私は見ている。

  • 長年同じポジションにいることで「被害者ポジション」が固定化している。新しい挑戦より、現状の不満を訴える方が楽だし、共感も得やすい。
  • 会議の目的が腹落ちしていない。「発表できる場=言いたいことを言える場」と勘違いしている。
  • 普段から不満を聞いてもらえていないと感じている。だから、年に一度の大舞台で全部ぶちまけようとする。

3. 営業マネージャーが取るべき5つの対処法

① 会議の目的を「文書」で明確に共有する

口頭だと「私はそうは聞いていない」と言われて終わる。事前に「この会議は今期の目標発表とディスカッションの場であり、業務改善要望の場ではない」と書面で配ることだ。後から揉めない。

② 不満は「別の場」で受け止める仕組みをつくる

大営業会議で言わせないなら、別の場所が必要だ。1on1でも、サポートチーム単独のミーティングでも、「あなたの話を聞く場はちゃんとある」と示すこと。ここをサボると、爆発する。

③ 「発表させない」決断は、毅然と

今回、私は彼女に発表させないと決めた。これでいい。前向きな場の空気をぶち壊す内容を、マネージャーが通してしまったら、他のメンバーの士気が一気に下がる。守るべきは全体だ。

④ 「大変さ」を共有する場は別途、設計する

たとえば月次でサポート業務の負荷を可視化する場を別で用意する。数字で出せば、感情論にならず、本当に営業が手伝うべき業務も見えてくる。要望の中身は正しいかもしれないのだ。

⑤ 「あなたの話を聞いている」ことを伝え続ける

こじれているお局リーダーほど、根っこには「誰も自分の苦労を見てくれない」という思いがある。会議で発表させないと決めたなら、その分、普段の1on1で丁寧に聞く。これが効く。

4. こういう時に読んでほしい一冊

正直、この手の人間関係のもつれは、テクニックだけじゃ解決しない。マネージャー側の「聞く力」が問われる。私が改めて読み直したのが 『人を動かす傾聴力』だ。1on1で部下の本音を引き出す具体的な手法が書かれていて、こじれた相手との対話に効く。「言わせない」ではなく「正しい場で言わせる」設計ができるようになる。

もう一冊、組織のこじれを根本から考えたいなら 『自走するチームの作り方』もおすすめ。被害者ポジションに固定化されたメンバーを、どう「自分ごと」に引き戻すか、ヒントがたくさんある。

こういうマネジメント本を月に2〜3冊読むなら、Kindle Unlimited(読み放題)がコスパ最強。スマホで隙間時間に読めるから、移動中にサクッとインプットできる。

5. まとめ:守るべきは「場の目的」

マネージャーをやっていると、こういう「悪気はないけど場をぶち壊しにくる人」と必ず向き合うことになる。優しさだけで対応すると、全体が壊れる。守るべきは「場の目的」だと割り切ることだ。

ただし、その人の声を完全に無視するのは違う。「この場ではNG、でも別の場では聞く」。このメリハリをつけられるかどうかが、マネージャーの腕の見せ所だと、今回の件で改めて痛感した。年に一度の大舞台、絶対に気持ちよく終わらせよう。

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