「やっていません」と平気で言う部下への正しい対処法

マネジメント術

「あの件、どうなった?」と聞いたら、返ってきた答えは「やっていません」。しかも悪びれた様子もない。先日の共有ミーティングで、ウェブページの商品が売れていないという報告を受け、他の事業部の成功事例を参考にしようと決めたはずだった。2週間後、結果を確認したら「期間が短いし、他の商品でやったほうがいいかと思って…」と。理由はもっともらしい。でも、要はやりたくなかったのだ。

なぜ部下は「勝手に判断」してしまうのか

こういうケースは珍しくありません。私も何度も経験してきました。なぜこうなるのか、原因を整理してみましょう。

1. 決定事項の「重み」が伝わっていない

ミーティングで決まったことが「やってみようか」程度のニュアンスで伝わっていると、部下は「提案レベル」と受け取ります。結果として「やらなくても大丈夫」と判断してしまう。上司が思っている以上に、決定の温度感は伝わっていないものです。

2. 「やらない理由」を探す習慣がついている

新しいことをやるのは面倒です。特に今のやり方で回っているなら、わざわざ変えたくない。だから後付けで「合理的な理由」を探し始める。期間が短い、他の商品のほうが…というのは典型的なパターンです。

3. 報告義務の認識がない

「やらないと判断した」のであれば、その時点で報告すべきです。でも本人には「報告すべきこと」という認識がない。これは仕事の進め方の基本が身についていないことを意味します。

具体的な対処法

1. 決定事項はその場で「誰が・いつまでに・何をする」を明確にする

ミーティングの最後に必ず「じゃあ、これは〇〇さんが来週金曜までに実施して、次回のミーティングで結果を報告ね」と具体的に言い切ること。「やってみようか」ではなく「やってください」。この一言の違いが大きいんです。

2. 「判断」と「実行」の権限を明確に分ける

今回のケースでは、実行担当者が勝手に「やらない」と判断しています。これは権限の逸脱です。部下には「決まったことは実行する。やり方を変えたいなら、変える前に相談する」というルールを明確に伝えましょう。その場で「勝手な判断はしないように」と注意したのは正しい対応です。

3. 中間報告のタイミングを設定する

2週間後に「どうなった?」と聞いて「やっていません」では手遅れです。1週間後、あるいは着手した翌日に「進めてる?」と声をかける。これは監視ではなく、軌道修正のチャンスを作るためです。

4. 「やらない判断」をした瞬間に報告させる仕組みを作る

「もし途中で方針を変えたくなったら、変える前に必ず一報を入れること」これをルール化してください。判断を禁止するのではなく、判断する前に共有することを求める。これで「勝手にやらない」を防げます。

5. 再発防止として「なぜ報告しなかったか」を振り返らせる

注意して終わりにせず、「なぜ相談せずに自分で判断したのか」を本人に考えさせてください。責めるのではなく、自分の行動パターンを自覚させることが目的です。「次に同じ状況になったらどうする?」と問いかけて、本人の口から正しい行動を言わせましょう。

おすすめ書籍

部下への指示の出し方や進捗管理に悩んでいるなら、『新1分間マネジャー』が参考になります。「目標設定」「称賛」「修正」の3つをシンプルに実践する方法が書かれていて、今回のような「決めたことが実行されない」問題への対処のヒントが得られます。短時間で読めるのもマネージャーにはありがたいポイントです。

また、部下の日々の進捗をどう管理するかという観点では、『マネジャーの最も大切な仕事』もおすすめです。小さな前進を支援することでモチベーションが上がるという研究に基づいた内容で、中間報告の重要性を再認識できます。

まとめ

「やっていません」と平気で言われると、正直カチンときます。でも感情的に怒っても解決しません。問題の本質は「決定事項の伝え方」と「報告ルールの不在」にあることが多い。今回のケースでは、その場で注意したのは正解です。あとは再発しないよう、仕組みで防ぐこと。決定は明確に、中間報告は必須に、判断変更は事前共有を。これを徹底するだけで、同じストレスは大幅に減ります。

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