指示がズレる部下にどう向き合うか?「何それ?」が続くときの対処法

マネジメント術

「これやっておいて」と指示を出した。数日後、報告を聞くと「……何それ?」となる。

そんな経験、ありませんか?

私にも、何度指示を出してもやることがズレてしまう部下がいました。彼は店舗への異動を希望していて、私は「それなら足りない部分を補おう」と伝えました。話し方、相手が求めているものを察する力。まずは本を読んで実践しよう、と。しかし彼が取った行動は「専門知識の資格を取る」でした。もちろん資格はあったほうがいい。でも根本的に会話ができなければ、店舗で活躍するのは難しい。結局、彼は「部長が異動を妨害している」と言って退職してしまいました。

なぜ「ズレ」が起きるのか?

指示がズレる部下には、いくつかのパターンがあります。

まず多いのが、「言葉の意味を自分なりに解釈してしまう」タイプ。こちらが「Aをやってほしい」と言っても、本人の頭の中では「Bのほうが大事だ」と変換されている。悪気はないんです。ただ、受け取り方のクセが強い。

次に、「目的より手段にフォーカスしてしまう」タイプ。先ほどの彼がまさにこれでした。「店舗で活躍したい」という目的があるのに、そこに必要なスキルではなく、自分が取りやすい資格に飛びついてしまう。

そして厄介なのが、「フィードバックを攻撃と受け取る」タイプ。改善点を伝えても、「否定された」「邪魔された」と感じてしまう。こうなると、どれだけ丁寧に説明しても届きません。

「ズレる部下」への具体的な対処法

1. 指示は「目的」と「完成イメージ」をセットで伝える

「これやっておいて」だけでは、解釈の幅が広すぎます。「この資料は〇〇部長への報告用で、結論を最初に持ってきてほしい。イメージとしては先週の△△資料みたいな感じ」と、目的と完成形を具体的に伝える。ズレる部下ほど、抽象的な指示に弱いんです。

2. 途中で「認識合わせ」のチェックポイントを入れる

完成してから「違う」となると、お互いにストレスが溜まります。作業の3割、5割の段階で「ここまでどう?方向性合ってる?」と確認する習慣をつけましょう。これは監視ではなく、ズレを早期に修正するための仕組みです。

3. 「なぜそう思った?」と思考プロセスを聞く

ズレた結果だけを指摘しても、また同じことが起きます。「なるほど、でもなんでこのやり方にしたの?」と聞いてみてください。すると「え、こういう意味だと思ってました」という認識のズレが見えてきます。ここを修正しないと、永遠にズレ続けます。

4. 改善点は「否定」ではなく「追加」で伝える

「話し方ができていない」と言われると、人は「自分はダメだ」と受け取りがちです。代わりに「資格の勉強もいいね。それに加えて、話し方の練習もしてみない?」と伝える。今やっていることを認めた上で、必要なことを追加するイメージです。

5. 本人の「言葉」で目標を確認させる

「店舗で活躍したい」と言っている部下に、「じゃあ店舗で活躍するって、具体的にどういう状態?」と聞いてみてください。案外、本人もぼんやりしていることが多い。言語化させることで、本人の中で目的と手段が整理されます。

おすすめの書籍

指示のズレに悩んでいるなら、『きちんと伝わる説明の型とコツ』がおすすめです。「伝えたつもり」と「伝わった」の間にあるギャップを埋めるための具体的な技術が書かれています。部下への指示だけでなく、商談やプレゼンにも応用できる内容なので、マネージャーなら一度読んでおいて損はありません。

また、『人を動かす傾聴力』もあわせて読んでみてください。ズレる部下の「なぜそう思ったのか」を引き出すには、聞く力が必要です。相手の思考プロセスを理解することで、指示の出し方も変わってきます。

まとめ

指示がズレる部下は、決して悪意があるわけではありません。ただ、受け取り方のクセや、目的と手段の混同が起きているだけ。

大事なのは、「伝えた」ではなく「伝わった」を確認すること。そして、相手がどう受け取ったのか、なぜそう解釈したのかを丁寧に聞くこと。

私の部下は残念ながら退職という結果になりました。もっと早く、もっと細かく認識合わせをしていれば、違う未来があったかもしれません。同じ後悔をしないために、今日からできることを一つずつ試してみてください。

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