デスクから立ち上がった瞬間、「ちょっといい?」と声をかけられる。その瞬間、心の中で「あ、終わった…」と思う。話し始めると20分、30分。「○○さんがさ…」と始まり、出るわ出るわ文句の数々。最後には「私が告げ口したいわけじゃないんだけど、会社を思って言ってるの」と締めくくられる。要するに「部長から言っといて」ということと、ついでの愚痴。正直、「自分の仕事に集中してくれ!」と言いたい。でも、言えない。機嫌を損ねると面倒だから。
私も過去、まさにこのタイプの先輩社員に何度も捕まりました。今日はそんな「話が長いお局社員」との付き合い方について、現場で実際に効果があった方法をお伝えします。
なぜお局社員の話は長くなるのか
まず、なぜこうなるのかを理解しておくと対処しやすくなります。
お局社員が話を長くする背景には、いくつかの心理があります。
1. 承認欲求が満たされていない
長年会社にいるのに、自分の意見が反映されない。若手ばかり評価される。そんな不満が「誰かに聞いてほしい」という欲求になって現れます。
2. 役割意識の歪み
「会社のために」「みんなのために」という大義名分があると、自分の行動を正当化しやすい。本人は本当に会社を思って言っているつもりなんです。
3. 情報を持っていることが存在価値になっている
誰が何をしたか、どこで何があったか。情報通であることが、その人のアイデンティティになっている場合があります。
つまり、悪意があるわけではない。ただ、自分の居場所を確認したいんです。それを理解した上で、こちらの時間を守る方法を考えましょう。
機嫌を損ねずに時間を守る5つの対処法
1. 最初に「時間の枠」を宣言する
声をかけられた瞬間が勝負です。
「あ、〇〇さん、すみません。今から会議なんで5分だけいいですか?」
「ちょっとトイレ行ってきてからでいいですか?3分後に戻ります」
こんな風に、最初に時間の枠を作ってしまうのが最も効果的です。「5分」と言われると、相手も無意識に話をまとめようとします。
ポイントは、嘘でもいいから「理由」をつけること。「会議」「電話」「お客様対応」など、相手が納得しやすい理由を用意しておきましょう。
2. 立ったまま話を聞く
座ってしまうと長引きます。これは確実です。
声をかけられても座らない、座らせない。立ったままで「はい、なんですか?」と聞く姿勢を作る。人間は立っていると自然と話が短くなります。
もし相手が座っている状態で話しかけてきたら、「あ、ちょっとこれ持っていかないと」と書類やPCを持って立ち上がるふりをするのも有効です。
3. 話の要点を先に聞き出す
愚痴モードに入る前に、こちらから質問で主導権を握ります。
「〇〇さん、何かありましたか?結論から教えてもらえると助かります」
「私に何かしてほしいことありますか?」
こう聞くと、相手は「部長から○○さんに注意してほしい」など、本題を先に言わざるを得なくなります。本題さえ聞けば、あとは「わかりました、対応しますね」で切り上げられる。
ダラダラ聞き続けるから30分になる。先に結論を引き出すことで、5分で終われます。
4. 定期的に「報告を受ける場」を作る
これは少し手間がかかりますが、効果は抜群です。
「〇〇さん、いつも色々教えてくれてありがとうございます。ちょっとバタバタしてることが多いので、週1回、金曜の夕方に15分だけ時間とりますね。そこで色々聞かせてください」
こうすると、相手は「聞いてもらえる場がある」という安心感を得ます。そして、普段の突発的な話しかけが減る。
「いつでも聞く」より「ここで聞く」の方が、お互いにとって健全です。
5. 話を聞いたら「ちゃんと対応した」ことを見せる
お局社員が不満を感じるのは、「言っても無駄」と思われること。
だから、何か相談を受けたら、小さなことでもいいので対応したことを伝えましょう。
「この前言ってた件、○○さんにそれとなく伝えておきましたよ」
「例の件、少し様子見てますね」
実際に大きなことをする必要はありません。「聞いてもらえた」「動いてくれた」という実感を与えることが大事です。それだけで、次から話が短くなったり、頻度が減ったりします。
どうしても難しい場合は「物理的に距離を取る」
それでも改善しない場合、物理的に距離を取ることも選択肢です。
席を移動できるなら移動する。フリーアドレスを活用する。リモートワークの日を増やす。
「逃げ」に見えるかもしれませんが、自分の生産性を守ることは、マネージャーとして正しい判断です。全員と仲良くすることより、成果を出すことの方が大事ですから。
おすすめの書籍
この手の人間関係の悩みには、『嫌われる勇気』が本当に助けになります。「相手の課題と自分の課題を分ける」という考え方を学ぶと、必要以上に相手に振り回されなくなります。お局社員の愚痴を聞くかどうかは「あなたの課題」。相手が不満を抱えているのは「相手の課題」。この境界線を意識するだけで、だいぶ気持ちが楽になりますよ。
また、『人を動かす傾聴力』もおすすめです。「聞く」と「聞き流す」は違う。相手を尊重しながらも、自分の時間を守る聞き方を学べます。お局社員に限らず、部下との対話やお客様との商談にも活きるスキルです。
まとめ
話が長いお局社員への対処は、「我慢して聞く」でも「バッサリ切る」でもありません。
- 最初に時間の枠を宣言する
- 立ったまま話を聞く
- 話の要点を先に聞き出す
- 定期的に「報告を受ける場」を作る
- 対応したことを見せる
この5つを組み合わせることで、相手の機嫌を損ねずに、自分の時間を守れます。
正直、この手の対応は面倒です。でも、マネージャーとして組織を回すには、こういう「厄介な人」とも上手く付き合う力が必要。今日からできることを一つでも試してみてください。


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