1. 「部長のID教えてもらえませんか?」その一言にフリーズした話
先日、こんなやり取りがありました。
部下「部長、査定用の振り返りコメントのフォーム、エラーで開かないんです。内容を確認したくて」
私「じゃあ総務に確認して入れるようにしておくよ」
……数分後。
部下「部長のID教えていただけませんか?」
私「ダメに決まってるでしょ」
部下「いや、部長のIDから確認しようと思って」
……いやいや、なぜそれを堂々と言える?他にも「今日の1on1調子悪いんで今度でお願いしまーす」「お客様に理不尽に怒られたんで、はぁ?って言ってやりました」など、なぜわざわざ私に言うの?という発言を平気でしてくる部下がいます。
2. なぜ部下は「余計な一言」を言ってくるのか
最初は感情的になっていました。「お前バカか」「言わんでええ一言や」と。でも何度も繰り返されると、こちらも冷静になってきて「これはこういう人なんだ」と客観視できるようになります。じゃあ、なぜ彼らはこういう発言をしてくるのか。私なりに分析するとこうです。
- 悪気がない:本人は「報告」のつもりで言っている。叱られる想定がない。
- 距離感のセンサーが弱い:上司との距離感、社会人としての境界線がうまく設計されていない。
- 承認欲求の表れ:「自分はこんな対応しました」「こんなトラブルがありました」とアピールしたい。
- 本音の取り扱いが下手:感情をろ過せずそのまま口に出す。フィルターがない。
つまり、悪人ではなく「未熟」なんです。これを「人格の問題」と捉えると毎回イライラしますが、「スキル不足」と捉えると指導の対象になる。これが大事です。
3. 余計な一言部下への具体的な対処法
① 反射的に怒らない、いったん受け止める
「ダメに決まってるでしょ」と言いたい気持ちはわかります(私も言いました)。でも怒鳴ると本人は萎縮して、次から報告そのものをしなくなります。怒るより「なんでそう思ったの?」と理由を聞くほうが情報が引き出せます。
② 「それを私に言うとどうなるか」を本人に考えさせる
「お客様に『はぁ?』って言ってやりました」と言われたら、「それ、私に報告したらどうなると思う?」と問い返します。本人に考えさせて気づかせる。一方的に説教するより10倍効きます。
③ ルールを言語化して渡す
「報告」「相談」「雑談」の境界線が曖昧な部下が多いです。「お客様クレームは事実だけ報告」「自分の感情は書かない」など、明文化したテンプレートを渡すと余計な一言は激減します。センスではなく型で守らせる。
④ 1on1で「言葉の選び方」をフィードバックする
「今度でお願いしまーす」のような軽すぎる発言は、その場で軽く流さず1on1で取り上げます。「あの言い方、上司によっては評価下がるよ」と本人の損得で伝える。正論より損得のほうが行動が変わります。
⑤ 自分のメンタルも守る
こういう部下に毎回まともに反応していると、こちらが消耗します。「この人はそういう人」と一定の線を引いて、人格ではなく行動だけにフォーカスする。マネージャー自身の精神衛生も仕事のうちです。
正直、こういう部下と向き合うには「傾聴」と「フィードバック技術」がモノを言います。感情で殴り返しても、相手は変わらない。冷静に対話するスキルを身につけたほうが、結果的に近道です。
4. おすすめ書籍
余計な一言部下と向き合うときに、私が実際に助けられた本を紹介します。
『人を動かす傾聴力』
感情的になりがちな1on1で、まず「聞く」ことの重要性を再認識させてくれる一冊。「なんでそんなこと言うの?」とイラっとする前に、相手の背景を引き出す質問力が身につきます。部下の発言の裏にある未熟さや承認欲求を見抜けるようになります。
『嫌われる勇気』
「課題の分離」という考え方が、こういう部下に振り回されないための最強の武器になります。部下の言動はあくまで部下の課題。自分が感情を乱す必要はない、と腹落ちできれば、マネジメントが一気にラクになります。
こういったマネジメント書を月1〜2冊読むだけで、現場の引き出しは確実に増えます。私はサブスクで気になった本を片っ端から読むスタイルです。Kindle Unlimited(読み放題)なら月額固定でマネジメント本も読めるので、忙しい管理職には相性がいいですよ。
5. まとめ
余計な一言を言ってくる部下は、悪人ではなく未熟者です。怒鳴ってもセンスは身につきません。「なぜそう言ったのか?」を本人に考えさせ、報告の型を渡し、損得で伝える。そしてマネージャー自身も「そういう人なんだ」と一歩引いて見る。これだけで日々のストレスは半減します。感情で勝負せず、技術で対応する。これが叩き上げで学んだ私の結論です。


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