ミーティングで話を広げすぎる部下への対処法|議論を着地させる5つのテクニック

マネジメント術

「それをやるなら、大元のシステムも変えたほうがいいですよね」「ついでに他部署も巻き込んで…」

先日、チーム内の業務改善プロジェクトのミーティングをしていたときのこと。ある部下が突然、話のスケールを10倍くらいに広げ始めました。目の前の課題を解決しようとしているのに、気づけば「会社全体のシステム刷新」みたいな話に。いや、そんな規模の改善プロジェクトやってないんだけど…と心の中でツッコミを入れながら、どう軌道修正しようか悩んだ経験、ありませんか?

なぜ部下は話を広げてしまうのか

こういうタイプの部下、実は悪気があるわけではないんですよね。むしろ「もっと良くしたい」という意欲の表れだったりします。

ただ、いくつかの原因が考えられます。

1. 全体像を見たい思考タイプ
物事を俯瞰して考えるのが得意な人は、目の前の課題だけでなく「そもそも」を考えたくなります。これ自体は悪いことではないのですが、今やるべきことと将来の理想がごちゃ混ぜになりがちです。

2. 議論の範囲が明確になっていない
ミーティングの冒頭で「今日決めること」「今日は扱わないこと」が共有されていないと、参加者それぞれが自由に解釈してしまいます。

3. 自分の意見を言いたい欲求
普段なかなか発言の機会がないと感じている部下は、ここぞとばかりに溜まっていた意見を出そうとします。結果、本題とは関係ない話まで持ち出してしまうことも。

議論を脱線させない5つの対処法

1. ミーティング冒頭で「今日のゴール」と「扱わない範囲」を宣言する

これが最も効果的です。「今日は○○の改善案を3つに絞るところまでやります。システム全体の話は別の機会に」と最初に線を引いておく。これだけで脱線のリスクがかなり減ります。

私は最近、ホワイトボードの端に「今日やること」「今日やらないこと」を書いておくようにしています。脱線しそうになったら、そこを指さすだけで軌道修正できるので便利です。

2. 「パーキングロット」を活用する

パーキングロットとは、本題とは別の議題を一時的に「駐車」しておくスペースのこと。部下が別の話を持ち出したら、「それ大事な視点だね。パーキングロットに入れておこう」と言って、ホワイトボードの隅やチャットにメモしておきます。

こうすることで、部下の意見を否定せずに済みますし、後で検討することを約束できます。「聞いてもらえた」という満足感も得られるので、一石二鳥です。

3. 脱線したら「それ、今日の議題と関係ある?」と素直に聞く

遠回しに言うより、ストレートに聞いたほうが効果的なこともあります。「その話、今日の改善プロジェクトにどう関係する?」と聞いてみる。

もしかすると、本人の中では関連があるのかもしれません。その場合は「なるほど、そういう繋がりね」と理解した上で、「でも今日はここまでにしよう」と区切れます。

4. 発言のターンを明確にする

「まず○○さんから、今回の課題についてだけ聞かせて」と、発言の範囲を指定してから話してもらう。自由に話してもらうと広がりやすいですが、枠を設けると絞りやすくなります。

特に話を広げがちな部下には、「3分で」「この資料のこの部分について」など、具体的な制約を設けてあげると本人も話しやすくなります。

5. ミーティング後に個別でフォローする

「さっきの話、もう少し聞かせて」と、ミーティング後に声をかける。本人の考えを深掘りして聞いてあげることで、「自分の意見は大事にされている」と感じてもらえます。

実際、話を広げる部下の意見には、長期的に見ると価値のあるものも多いんですよね。ただ「今じゃない」というだけで。そのあたりを個別に伝えてあげると、本人も「今日はここに集中しよう」と切り替えやすくなります。

おすすめの書籍

ミーティングの仕切り方や、部下とのコミュニケーションに悩んでいるなら、『人を動かす傾聴力』がおすすめです。部下の話を「聞いているようで聞けていない」状態から抜け出すヒントが詰まっています。話を広げる部下も、根っこには「聞いてほしい」という気持ちがある。その欲求を満たしながら、議論を前に進める方法が学べます。

また、チーム運営全般の基本を押さえたい方には『新1分間マネジャー』もおすすめ。目標設定やフィードバックの基本がシンプルにまとまっていて、ミーティングの進め方にも応用できます。Kindle Unlimitedで読めるマネジメント本も多いので、まとめて読んでみるのも良いですね。

まとめ

話を広げすぎる部下は、決して悪意があるわけではありません。むしろ「もっと良くしたい」という意欲の表れ。ただ、それをミーティングの場で全部受け止めていると、いつまでも話が終わらない。

大事なのは、事前に「今日の範囲」を明確にすること。そして脱線した意見は否定せず、パーキングロットに置いておく。その上で、個別にフォローしてあげれば、部下も納得感を持って議論に参加できるようになります。

「今日はここまで」と線を引く勇気を持ちつつ、部下の意欲は大切にする。このバランスが取れると、ミーティングがグッと効率的になりますよ。

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