飲み会のたびに泣いて誓う後輩の話
「俺、絶対に認められる人間になります!」
居酒屋の片隅で、目を真っ赤にしてそう訴えてくる後輩がいた。周りの同期がどんどん数字を上げていく中、彼だけが取り残されていく。その悔しさを飲み会のたびにぶつけてきた。最初は俺も胸を打たれて「よし、明日から一緒に頑張ろう」と本気で応援した。でも翌朝、彼の動きは昨日と何一つ変わらない。これが一度や二度じゃない。何度も繰り返される。気づけば、俺の目は彼を見るときだけ冷たくなっていた。
なぜ「飲み会の誓い」は翌日に消えるのか
こういう後輩、どこの組織にもいるんじゃないだろうか。俺も長年マネジメントをやってきて、何人も見てきた。で、分かったことがある。彼らは「本気で嘘をついている」わけじゃない。その瞬間は本当に悔しくて、本当に変わりたいと思っているんだ。
ただ、問題はそこから先。アルコールが入ると感情が高ぶって、自分が「変われる気」になってしまう。脳内で勝手に成功イメージを描いて、その疑似達成感で満足してしまうんだ。翌朝、現実に戻った瞬間、高ぶった感情はもうない。残っているのは二日酔いと、具体的な行動計画のない「気持ちだけ」の誓い。これじゃ変われるわけがない。
もっと根本的な話をすると、彼らは「悔しさを語ること」がゴールになってしまっている。飲み会で吐き出して、先輩に慰められて、一時的にスッキリする。そのサイクルそのものが心地いいから、本気で行動を変える必要がなくなるんだ。
期待を裏切り続ける部下への具体的な対処法
1. 飲み会での「決意」は一切受け取らない
これ、俺が一番効果を感じている方法。飲み会の場で熱い誓いを聞いても、「おう、分かった。じゃあ明日の朝イチで話そう」と返すだけ。感情に巻き込まれず、シラフの場に持ち越す。翌朝、本人が話しかけてこなければ、それが答えだ。本気度はシラフのときの行動でしか測れない。
2. 「行動」に落とし込むまで付き合う
もし翌朝、本人がちゃんと話しに来たら、そこで初めて真剣に向き合う。「認められたい」は感情であって目標じゃない。「今月あと何件アポを取るか」「誰に電話するか」「何時に出社するか」まで具体化する。紙に書かせて、壁に貼らせる。ここまでやらないと変わらない。
3. 小さな約束を一つずつ守らせる
いきなり大きな目標を追わせない。「明日の朝8時に出社する」「今日中に5件架電する」レベルの小さな約束を一つずつ。守れたら認める、守れなかったら理由を聞く。この積み重ねでしか、人は変わらない。
4. 期待のかけ方を変える
何度も裏切られると、こっちの心が持たない。俺も経験がある。だから、ある時期から「期待」ではなく「観察」に切り替えた。彼が変わるかどうかは彼の問題。俺は事実だけを見て、事実だけで評価する。これで自分のメンタルが守れるようになった。
5. 最終的には線を引く覚悟を持つ
マネージャーとして冷たく聞こえるかもしれないが、全員を救えるわけじゃない。何度チャンスを与えても変わらない人間には、評価で示すしかない。それが本人のためにもなる。甘やかし続けることが優しさじゃない。
こういう「人の変え方」や「習慣の作り方」について、もっと体系的に学びたい人はKindle Unlimited(読み放題)で関連書籍を読み漁るのがおすすめ。月額制で何冊読んでもいいから、マネジメント本を一気にインプットできる。
おすすめ書籍
この手の「気持ちはあるけど行動が変わらない部下」に向き合うなら、『マネジャーの最も大切な仕事』が効く。小さな進捗こそが人のモチベーションを動かすという原則が、膨大な調査データとともに語られている。飲み会の熱い誓いじゃなく、日々の小さな一歩をどう設計するか。その答えが詰まっている一冊だ。
もう一冊、部下本人に読ませたいのが『自分を変える習慣力』。決意だけで変われないのは意志が弱いからじゃなく、習慣の仕組みを知らないから。この本は「変わりたいのに変われない」人の背中を、根性論じゃなく科学的に押してくれる。泣いて誓う後輩にそっと渡してあげてほしい。
まとめ
飲み会で泣いて誓う後輩を見ていると、こっちも胸が熱くなる。でも、何度も裏切られるうちに、目が冷たくなっていく自分に気づく。これは俺たちマネージャーが悪いわけじゃない。人の期待を裏切り続けるとはそういうことだ。
大事なのは、感情に巻き込まれず、シラフの場で具体的な行動に落とし込むこと。そして、変わるかどうかは本人次第だと線を引くこと。冷たいようで、これが一番本人のためになる向き合い方だと、俺は思っている。


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